イラストレーター
フロラン・シャヴエ
1980年、フランス生まれ。日本文化に魅了され、初の著作は『東京散歩』。
第二作目の『Manab Shima』は、瀬戸内海に浮かぶ岡山県の真鍋島に滞在して描き上げた。
私にとって大津で過ごした10日間は、日本の大きな幹線道路が横断するわりにやや偏狭な地方にあって、巨大な湖をつなぎとめる驚くほど小さな街の存在を発見する機会となりました。この相反する要素は、さまざまな特産物と謙虚でありながらも貴重な職人、そして時には名高くも秘められた文化遺産とともに、私の心に強い印象を刻みました。もちろん、私は多くの時間をうっとりと過ごしましたが、周辺の田園風景もまったく心地よいものでした。びわ湖に沈み込むような棚田の水田や杉の木立に縁取られた小さな谷間が絶えず景色を彩り、独特の雰囲気をこの地に与え、それが人間らしく息づく街にすっかり溶け込んでいます。心が和むような、それでいて刺激的な、この都市と農村が一体化した調和が大好きになりました。今、私は確信しています。大津がただ通りすがりの中継地ではなく、滞在するにふさわしい街だと！
